技術職教育は環境に合わせて常に進化させていかなければならない
そういった状況の今の時代・・・
・上の世代が下の世代に有効な指導が行えていない
・下の世代が上の世代の指導の本当の意味が把握できていない
・組織やチームで本気の環境作りに取り組めていない
この3つが大きな課題になっていると思うんですよね
強烈な価値観
上の世代には強烈な価値観があります
「技術は見て盗むモノ、教えてもらうモノじゃない」
先輩方にも修行時代があり、技術習得法は見て盗むことが当たりまえでしたから無理もありません
もしかしたら、後輩たちの学ぶ姿勢や心構えなどに物足りなさを感じて、余計に『技術は教えてもらうものではなく、見て盗むモノ』の価値観を貫き通しているのかもしれません
「聞いてくるなら技術を教える」
「頼まれたら後輩の技術を見る」
という上の世代はまだ良い方で、下の世代に教えることを良しとしない先輩方もいます。。。
それは無意識に反応してしまう強烈な価値観が根底にあるからなのかもしれません
技術を見て盗む為のスキル
先輩方に一切教えてもらわず、見て盗みながら技術を高めていくためには
仮説力や観察力であったり、問題発見能力、情報処理能力などいろいろなスキルが必要です
でも現実にはそんなスキルが自然と身についている下の世代は数少なく
後輩が先輩の指導を本当の意味で理解できていない理由は「すれ違い」にあるのかもしれません
先日、後輩を意見交換した時・・・
「見て覚えようにも何を見たら良いかわかりません」
という言葉が出てきました。
『何を見たらいいのか』
『どこに重点を置いて考えるのか』
技術を見て盗むことは即戦力化と自己成長力向上につながるわけですから
技術を見て盗むにはどの視点が正しいのか
後輩一人ひとりに合わせて話すことが
最低限必要なことかもしれません
組織やチームで本気の環境作りに取り組む
技術を見て盗む価値観を押し付けるのではなく
技術を見て盗むことで技術習得がスピーディになるだけじゃなく、その姿勢が色々な仕事の状況で役立つことを理解させたいですよね
「上の世代が下の世代に教え、伝えていく」ことは、とても重要なことです
でも、これまでずっと「見て盗め」というスタイルの先輩がいきなり有効な指導を行えるわけでもありません
それでも技術を盗んで覚えた世代も今に共通する指導があったり
後輩の一生懸命に聞いてくる後輩にはどんどん教えていきたいと思っているはずです
そして、組織やチームならひとりじゃありません
どれだけ優れた指導能力を持っていようと、ひとりの人間の発揮できる力には限界があります
お互いの意見を出し合うことにより、新たな気付きや発見が生まれ、突破口を見出すことが可能となるわけです
そして先輩や後輩の関係であっても
お互いに刺激を与え合うことで
更なる向上心を生み出し
これまでに達することの出来なかった高みへと成長していくものだと思います